柾割
以前ご紹介した「100年生」の原木を製材しましたので、その模様をご報告しましょう。
今回の製材は材長2Mの「元玉」。
元玉とは地面に一番近い・一番太い部分の事。立木(りゅうぼく)を切り倒して必要な長さに切ることを玉切りと言いますが、切った後の原木を地面に近い部分から一の玉(元玉)・二の玉・三の玉・・・・と呼びます。
元玉は地面に近いので若木の頃から枝打ちがし易く、内部に節の少ない「役物」出現率が高いのが特徴です。半面、曲がりやアテが出やすい部分でもあります。
今回はご注文をいただいていた、建具用柾板に製材していきます。
柾割製材は通常の製材方法とは違い非常に手間の掛かる割り方をします、さてどんな工程となるのか見ていきましょう。
柱や野物類等を製材する場合は「側」の部分から落としていきますが、柾割の場合いきなり真っ二つに鋸を入れていきます。
中心を狙って、
首を左に向けたり右に向けたりして見てください m(><)m
綺麗に半分に割れました。
が!これをまた半分に、つまり四分の一の「いちょう切り」の様な形に挽いていきます。
この形状に落としてからやっと柾取りへと移行できます。
このまま調子良く何枚も落としていきたいところですが、1枚落とすと次の木肌には板目と柾目が混じり合わさった「追い柾」が色濃くなっています。
その為1枚落とす毎に、元口(太い方)と末口(細い方)を反転させて、できる限り柾目の多い木取をする必要があります。
台車マン、人力で方向転換!
結構な重量です、生の丸太は。50~60㎏位??
こうして繰り返し柾目取りを続けていきます。
原木も良く、木取りも良く、非常に美しい柾板が製材できました。
これから桟積みをして天然乾燥にて数ヵ月……
じっと出荷の時を待ちます。
BY のみすぎ