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社長のちょっとしたコラム。

『気をつけて!材木屋さんは間違いだらけ。』の巻


ここの所、HPからの問い合わせが多くなってきて、返信に時間を割くようになり
トッピックスブログを書く時間が減ってきた。

当社に来るメールでのお問い合わせの中でも
返信に注意を払って、事細かに記載しようと心がけているのは
「木の特性」に対しての返答。

近年、インターネットが普及して、何処からでも誰でも
様々な情報がいとも簡単に入手できるようになった。
そのせいなのだろうか?

たまに、あれ?そうきましたか。なんて質問が来る事がある。
逆にこちらから、「何処の情報ですか?」
と、聞いてみると「ここです。」と材木屋さんのHPを紹介された。

ん~ 確かに書いてあるな。
何度見ても、どう見ても、間違った情報を発信してる。

もう少しいろいろな所の材木屋さんのHPも覗いてみるか。
ってな事で、『材木店』で検索開始。

ありますね~ 675,000件。
とりあえず、順序良く片っ端から見て行こう。

なるほど・・・あるな。「間違い」。というか「認識不足」だな。
材木屋さんは自然素材を扱っているせいか
「木」を神秘的に捉えている傾向があるようだ。

ある材木屋さんのHPで見つけたフレーズ。
「木が割れるのは、その家に根付こうとしているからです。」
呆気にとられたが、結構、俺はこの言い回しは嫌いじゃない。
けど、どうしたもんかな。これだけでまとめちゃうと、問題あり。かな・・

確かに「木」は難しい。

一昔前までは、「自然なものですから」とか「木は生きているので」
ってな言葉で全てが済まされていた。
というより、科学的な根拠を誰も必要とはしなかった。

ここ近年。木材の科学的検証が飛躍的に進んでいるように感じる。
実際はずいぶん前から研究はしていたのだろうとは思うが
こんな御時勢だから尚更なんだろう。

それでもまだまだ謎のベールに包まれた部分が多いのも「木」。
あの森林○研でさえも、質問の回答に
「この部分に関してはまだ解明されていないんです。」
と返信してくるほど手ごわいのだ。

昔の人の智恵や言い伝えにも、科学的な根拠があったり、なかったり。
科学的な根拠だけでは「木」はまとまらないのかもしれない。
やはり神秘的な部分も残しておいた方が良いのかな。

けど、

やっぱり俺はいやだな。

情報化社会。逆を返せば、俺たち本業が正確な情報を発信してあげないと
間違った認識で埋め尽くされちゃう。

たとえあんまり難しい情報を欲していなかったとしても
せめて、誤認を生むような抽象的な表現は避けたほうがいいのだと思う。

「木は生きもの」 
曖昧表現の代表選手。エースで4番。ってところか?

最近のピンチヒッターは 
「人工乾燥は木を殺す」

もし、材木屋さんとお知り合いになったら聞いてみてください。
「木って何でできてんの?」
なんて答えるかな。
「そりゃ~木だろ。」
そう答えたら
そいつは材木屋じゃなくて
ファジィ木屋の社員です。お気をつけて。


こんなコラムらしき、長々とした文章をパソコンに向かって
パタパタと打っていたら
書斎の本棚にある一冊の書籍を思い出した。
Dscf1942
「もくざいと科学」

海青社から、1989年に発行されている。
思えばこの本が切欠となって、木材の科学を勉強し始めたんだった。
買った覚えは無い。
たぶん、高見林業の熊のような男から
「これからは科学だよ。」なんてセリフを聞きながら貰ったんだろう。

今では、木に関する書籍で溢れている。
あんまり頭でっかちになるのがいいとは思わないが
せめて、かみさんの事と同じくらいは知っておきたいもんだ。

木はとても良い。
本当に良い。
木は、人にとって、生き物にとって、この地球にとって、素晴らしき恵みだと思う。
環境問題を含め、木に携わる人は、正確な知識が必要なんじゃないかな。


そして材木屋は
「自分の販売しているものを知るべきだ!」
なんて思う今日この頃です。

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