新月の木 その9
Sさん。大変お待たせいたしました。明日からいよいよ製材に入ります。
日光も梅雨に入りましたが、時期的にはちょうどいいかもしれませんね。
科学的根拠は全くありませんが、長期間の自然乾燥を行なう場合、梅雨時期の製材が最も良いとの言い伝えみたいなものが、こちらの地方には有ります。
特に昔からの年配の大工さんとおしゃべりしていると、そんな話がゴロゴロ。
木にまつわる言い伝えは沢山有りますね。
伐採時期だとか、組み上げる時の木の向きだとか、風土と木の関係とか・・・
今回は、梅雨時期の製材は科学的にどうなのか?そんな質問を某研究所に問い合わせをしてみました。するとどうでしょう、こんな返事が
『梅雨時期に製材すると良い。これは乾燥の理屈に合っています。乾燥の初期段階にいきなり直射日光があたり、湿度の低い条件で乾燥すると、割れが発生しやすくなります。初期段階では、乾燥を急ぐなとの戒めでしょうか。その後、暑い時期がきますので、トータルの乾きも良いように思われたのかもしれません。』
だそうだ。
梅雨時期に製材すると、一番頭を悩ませるのが「カビ」。
新月の木は「カビない」らしいが、はたして・・・