ヒノキ 中心部の含水率
ヒノキ「生節の羽目板」の注文に対応すべく、弊社にストックしている
「日光産大黒柱用ヒノキ太角」をスライスすることになりました。
そこでちょっとした疑問を解消できるチャンス!という事で
含水率を測定することに。
通常弊社の大黒柱は「天然乾燥」が基本。
天然乾燥の場合、人工乾燥と違いこちらの意図で含水率を調整することは出来ず
自然に任せて、ひたすら乾燥していくのを待つのが「天然乾燥」の難しいところ。
当たり前ですが天然乾燥は表面から乾燥していくので
薄い板材等の場合は乾燥度合いのチェックも比較的簡単ですが
大黒柱となると・・・
なんせ「太い・でかい」ので、表面は乾燥していてもその中心部はいかがなものか?
という、大黒柱の中心部の「水分量」という疑問が発生するわけです。
普段は「含水計」という簡易測定器を用いて測定しているのですが
大黒柱が太くなるにつれ、簡易測定器では測定不能になってしまいます。
納品する度に林業センターに持ち込むことも出来ず
あとは経験で見極めて出荷が通常作業。
良い機会なので、割ってスライスしている後から含水率を測定してみよう!
というのが今回の趣旨。
ということで早速実測してみました。
今回、ヒノキ生節羽目板の為に使用した角材は↓これ。
栃木県 日光産
ヒノキ(檜) 樹齢80~90年
天然乾燥15年
長さ4000㎜ 200㎜角
平成12年製材の天然乾燥15年もの。
この時点での含水率は?というと
予想通り「平衡含水率(気乾含水率)15%」。
教科書通りの数字ですね。
さて、ちょっともったいなくて躊躇しながらも板割り作業に入ります。
まずは「台車」で長い年月天然乾燥して変形をした角材を
修正狂い取りしながら割っていきます。
中心部に差し掛かってきたところで、今回の目的
「中心部の含水率」測定に。
なるほど。
中心部は「含水率20%」。
複数本全て計測しましたが低いもので18%。
高いもので30%。
平均すると20%程度のものが大半を占める結果に。
更に細かく、別の製材機で割ってみると
こちらも平均すると20%前後。
ん~
元々ヒノキは含水率に個体差のバラつきが少ないので
予想していた通りといえばそんな感じ。
結果的には想定していた含水率を証明できたわけですが
突拍子もない結果を期待していた部分もあり・・・
まぁ、なかなか良い感じの「ヒノキ 生節 羽目板 原板」
が取れただけでもOKです。
ですが、意外?な事実も判明。
「生節」という注文で最も困るのが「節の割れ」。
密度が高いのでここから先に割れるのは想定できますが
大黒柱のように角材として乾燥した材であっても
表しになっている「節」が割れていると
その内部に隠れて埋まった続きの節も割れちゃうんですね~
収穫。収穫。
今度は「スギ(杉)」で同じ検証をしてみたいので
わざわざ「スギの大黒柱」を
割らなくてはならないような
ちょっと辛い注文をお待ちしております。
by もりすぎ
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