Q1.問題です。針葉樹の木の皮。さて何に使っているでしょう。
昨日、木の皮を製材所から集め、バーク堆肥として販売している会社の
営業マンがやってきた。
なにやら、木の皮が不足しているようだ。
製材するときは、皮を剥いてから行なう。
県によっては皮付きのまま製材しているところもあるようだが、栃木県の大半はそうしている。
勿論、皮もどんどん溜まるわけで、何かに利用しないと処分に困る。
当社の場合は、集積所に一旦集め、組合でバーク堆肥を作っている。
一時期はコストの問題で、生産量が減り、集積所に入りきれないほど木の皮であふれていた事もあった。
ところがどうだ、一転、木の皮が足りなくなっている。
原油高や環境エコをキーワードに、木の皮の利用方法が増えてきたからだろう。
木の皮や木屑を、発電の為の燃料や熱源にしようという「バイオマス発電所」の増加や先日もこのブログでちょこっとだけふれたが、木材を乾燥する為の乾燥機に使用する
「木屑ボイラー」の普及。などが大きな要因だろうと思われる。
正直、近年まではこうした状況になることなど、夢にも思っていなかった。
昨年、私の所属する「日光地区木材流通研究会」のメンバーと共に
私たちの頭では、木の皮の有効利用には「燃料」しかない。
と、そんなことくらいしか思いつかず研究はしてきたが
皮の成分を調べてみると、「燃料」にするには、工夫が必要だという所に
行き着き、研究を断念した。
さすがに、日本で最先端の研究施設では、ありとあらゆる研究が進められていた。
中でも驚かされたのは、タンカーの原油流出事故などに
木の皮を原油の「吸着材」として使うのだそうだ。
驚くほどの吸着力があるそうで、今後研究が進むのが期待される用途であった。
その他にも、木の皮で作る建築用ボードや水素の抽出など、まだまだ用途はありそうだ。
なんにしても「木」という自然な素材を、余すとこなく利用する事が、本当の意味での「環境にやさしい」という事に、繋がっていくのだと思う。
日本は世界有数の森林国。もっと使ってきちんと植える。
材木屋として、そんな循環型の社会に少しでも貢献したいと思うこの頃です。