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新月の木

新月の木 その19

新年を迎え、1年越しの「新月の木」がいよいよ大工さんの下小屋に納材です。

思い起こせば2007の12月、エルヴィントーマが提唱する「新月期」ノイモントホルツ?なる時期に合わせ伐採がスタート。更には「木とつきあう智恵」に記載された最後の日に施主伐採。
それ以外にも、いろいろあって記載すると長くなるので、詳しくは当社のブログ「新月の木シリーズ」でって事で・・・
それと同じく当社のHP「新月の木実証実験」もどうぞ。


まずは、高々と当社で一番風通しの良い場所に桟積みしてあった、新月の木の狂い取り挽き直し製材を行うため、山を崩して順番に台車に投入する所から始まります。

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さすがに軽い。フォークリフトで持ち上げただけで、乾燥の度合いが実感できる。
製材した直後は、この量を持ち上げるとケツが浮いていた。

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やはり、新月の木と言えど多少なりの狂いは生じているようだ。
勿論、乾燥の度合いを目視できる割れも入っているし、表面にはカビが入っている。

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挽き直しを行った残材の写真がこちら。
挽き直しの残材厚みむらで、材の狂いがよく解る。

(余談だが、この挽き直し材が、薪ストーブの焚き付けには最適!!適度な薄さと乾燥具合がいい感じで焚き付けには適しているんですね~)

しかし、木そのもの自体は非常に良い仕上がりで、葉枯らし天然乾燥独特の色艶が出ている。表面にあったカビも、数ミリの挽き直しを行っただけで全て挽き落とす事が出来た。夏場の時期も経てきたのにカビが中まで浸透していないのは、新月の影響か???
しかも、細かい割れは入っているものの、大きな割れが「含水率」と比較すると少ない。
ん~ これも新月の影響か?

これを鉋で仕上げるとさらに美しく仕上がるだろう。
香りも良い。挽き直ししている板材からも杉の香りがたちこめる。

さて、注目の含水率。
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上の写真は、挽き直し製材を行う直前に測定した含水率。
まずは、大桁材から納材を行うので、先行して挽き直しを行っているが、大桁だけで2トントラックで5台分。かなりの量があるが、平均して挽き直し以前の含水率は15%~20%の間で落ち着いているようだ。

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こちらは、挽き直し後の含水率。
かなりバラツキが出た。低いものでは15%。高いものでは35%程度。
天然乾燥と考えれば、個体差が生じるのは当然の事で、予定通りに乾燥が進んだと思われる。
それにしても、綺麗な肌をしてる。うっとり眺めてしまうほど・・・

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さて、長期間当社の土場に桟積してあった部材も、大桁類が無くなり閑散としてきてしまったが、これから大工さんの進捗状況を見ながら、残りの柱材の納材を行っていきます。

新月の木 その18

「新月の木」が、いよいよ大工さんの作業場に搬入開始になりました。

まず、第1便。「松 梁 丸太」。

とにかく長い・・・  長さ11m。

このまま表面を削り、昔ながらの「松梁」に大工さんの手作業で仕上げていきます。

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さすがに、手じゃ下ろせないですよね。
と言うよりも、動かすことも困難。大工さん・・どうやって加工するんだろうか・・・

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この梁丸太は、一番の見せ所。
11mの丸太の上に、6m(短く見えるが・・)の同じく梁丸太が重なり合う。

まだ始まったばかりなのに、上棟が待ち遠しい。

新月の木 その17

あれから、5ヵ月・・・ 「新月の木」は・・・

新月の木を使ったS様邸の着工準備も進み、本日は地鎮祭にお伺いしてまいりました。

真っ青に晴れ渡った空の下、ちょっと緊張しながら行われた地鎮祭。いよいよ始まるんだな~ なんて、昨年の12月に新月伐採を行った頃を思い出しながらの参列でした。

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その頃、当社で出荷待ちをしている「新月の木」達はどうなっているのか?というと、いい感じで乾燥も進み、こちらも準備は万端です。

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実際に大工さんの作業場にこの「新月の木」を運び込むのは、来年1月。
まだ、もう少し当社で出番待ちです。

新月の木 その16

お待たせいたしました。Dsc07032
「新月の木」全ての製材が完了いたしました。

ずいぶん掛かりました・・・
予定では一週間程度の予定でしたが、約二週間。
気持ちを込めて、新月の探りを入れて?慎重に製材しました。

是非、見に来て下さい。
ものすごくいい感じになってますよ!
これが大工さんの手に掛かると、もっともっと良くなる。楽しみは尽きませんね。

Dsc07028 これから長期間の自然乾燥期間に入ります。
じっくりと日光の男体おろしに吹かれながらの出番待ちです。

私たちは、今後の変化を見逃すことなく、観察させて頂きます。
検証内容は、逐次ブログにて報告しますので、お楽しみに!





それと、余談になりますが
「新月の木プロジェクト」試作品の完成まで、あとわずか。
我ながら、これはヒット商品になってしまうのでは・・・などと勝手にあたふたしています。
完成したら、ここで公開しちゃいますので、こちらもお楽しみに!

新月の木 その15

「新月の木」の製材は着々と進んでいます。Dsc06955

今日までの製材は   →
こんな感じです。なかなか捗りません。
それでも、4m材の角木は終了です。この次は大桁(平角)の製材に移ります。

先日、高見林業の社長が「大日本山林会」に参加したときの席で、「葉枯らし乾燥を行なう際の、木の伐倒方向に於ける、木材中に含まれる多糖類の変化」の内容について話をしたらしいのですが、この研究はまだどこの機関も行なってはおらず、データ自体が無いそうです。これは、前回「新月の木 その11」にも記載しましたが、もしかすると大発見に繋がっちゃうかも!です。

私も、某研究機関の資料を読みあさっておりましたが、確かに「木の伐倒方向による乾燥度合いの差異」さえも、記述には詳細が述べられていませんでした。

本年度、私の所属する「日光地区木材流通研究会」では、もう一度「新月の木・新月伐採」の調査研究を行います。その際は「木材中の糖度変化」に焦点を絞り、なにがどうなっているのか、今度こそは正体を突き止めてやる~!ってな感じで気合を入れて行いますので、御興味のある方は、一緒にいかがですか?

日程は前回同様、真夏の新月・満月、そして真冬の新月・満月です。
近くなりましたら、またお知らせ致します。
お申し込みはお早めに?bleah


【業務連絡】
Sさんへ。すいませんが明日は別件の製材が入っており、新月の木製材を1日お休みさせて頂きます。

新月の木 その14

少し話はそれますが・・・

「新月の木」新商品開発プロジェクト始動!?

話の発端は
・Sさんに「新月の木」で記念品でも作ってプレゼントしたいな。
・当社のHP祝リニューアルなので、記念オリジナル商品でも作ろうかな。
と考えていたのが始まり。

東京からの打ち合わせ後、東北自動車道走行中に「閃きました。flair
こうなるといてもたってもいられず、木のなんでも屋さん「八汐木工」片見社長にTel!
「まあ、作ってみっか。」って事で、勝手にプロジェクトが始動しました。
早速、片見社長から試作品の設計図が届いた。(本人もまんざらではなさそうだ)
これがまた、かなりいい感じなんですよね~

さあ!どんなものが出来上がるのか。
SGECのネットワークを駆使した、商品開発のスタートです。      ↓これが原板(材料)。
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one 原木出荷元  高 見 林 業 SGEC JAFTA-006
two 製     材  田村材木店 SGEC JAFTA-W012
three 加     工  八 汐 木 工 SGEC JAFTA-W014

新月の木+SGEC=ミラクルコンビ!?

「こりゃいいな~欲しいな~になるか、なんだよ期待させといてこれかよ!」
になるかは、後日ここで試作品の発表をしちゃいますので、御意見くださいね。

たぶん、高見林業から「ま~た。つまんないもん作って。despairと、言われそうですが・・・

試作品ができたらまずは、Sさんにプレゼントpresent しますのでお楽しみに!
「いらない。」は禁句です。立ち直れなくなるので・・・crying

新月の木 その13

S様へ。 「新月の木」製材の進捗状況です。Dsc06942

さすがに2軒分。製材しても製材してもなかなか減りません。
本日は土曜日ということもあり、機械のメンテナンスや、工場内の1週間分溜まった製品の片付けなどで、ほとんど手をつけられませんでしたが、金曜日までに3mの材は全て完了しました。

当社は、1本1本を確かめながら8回挽きという方法で四角にしていきますので、大量生産工場の両面挽き(2回鋸を入れると四角くなる)とは、単純に4倍手間も掛かりますし時間も掛かりますので、なかなか1軒分が揃いません。その分、良い製品を造れると自負していますけど。

製材は後1週間位を予定しておりますので、お近くに来られた際は、また寄ってくださいね。

材料をお買い求めに来られた業者さんがSさんの大黒柱を見つけては驚いているよ。そりゃそうだろ、4面赤役の6m30㎝角なんて、そうお目にかかれる物じゃないからね。

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新月の木 その12

前々回の続き。
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なにやら小難しい話になってしまいましたが、「新月の木」の製材見学にSさん登場です。

折角来て頂いたのだからと、柱の製材は後回しにして、「大黒柱」の製材をおこないました。長さ6m太さ30㎝角。でかい。ものすごく太い!
赤身で素性がよく目の通りも綺麗な大黒柱になりました。

これから、「家の中心にはいつもいる。」そんな大黒柱を一緒に製材できて、私たちも嬉しい限りです。
製材はこれから1週間ほど掛かる見込みです。今度は旦那様とお子様も一緒に是非是非お越しくださいね。特別にトミカなんか用意しちゃってお待ちしております。

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新月の木 その11

前回の続き。


木材は、セルロース・ヘミセルロース・リグニン及び少量の抽出成分から構成されています。

その中でも、私たちが目を付けたのが『多糖類』です。

木材が腐食したり、カビが生えたり、虫に食われる。なんてのは全てこの「多糖類」が影響を及ぼしていて、その中でも、水溶性糖類・リグニン・ポリフェノール類がポイントではないかという(まだ推測の域を出ませんが・・)所まで来ています。

私たちが以前から行なってきた実証実験、そして今回の新月伐採、双方同じ結果となった、6ヶ月葉枯らし乾燥をしても青々とした葉は、水分を速い速度で蒸散させることなく、ゆっくりとした蒸散で多糖類の消費を一緒におこなっていたのではないか?
そう考えると「新月の木」の謎が少しだけ解明できるかもしれません。

エルヴィン・トーマが提唱する新月の木は、「谷側に倒す事で水の抜けが明らかに良くなる。」と記述にはあったが、私たちが今までの経過の中で実際におこなって得た事とはまるで逆。
根本的に何かが違っているのか?

しかし、これはあくまでも伐採の一手法に過ぎず、月との関係が解明されるわけではありませんが、真相解明まであと僅か!みたいで、なんとなくわくわくしませんか?

新月の木 その10

本日、朝からいよいよお楽しみ「新月の木」の製材に取り掛かりました。Dsc06886
朝の朝礼の時からスタッフ一同、ウキウキわくわく!しかも午後からSさんと設計事務所さんも立ち会うとの事。更にわくわくです。

まずは、柱から製材開始です。一本一本通常の丸太と何が違うのか、そんな感触を確かめつつ製材が進んでいきます。

当社のテーブルマン曰く「始めの鋸入れはさすがに緊張しました。」
そうでしょう。それだけの準備をしてきたのですから。
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私もこうしてはいられません。
今までの実証実験や多方面から聞こえてくる「新月の木」の神異。今こうして目の前で製材しているのだからデータを取らねば!
やる事は山ほどあるが、まず手始めに、含水率(水分中に含まれる水分量)の調査から。


含水率計が100%のメモリを振り切った。Dsc06878
予想していた事が的中!
現在、私の手元には簡易含水率測定器しかないが、たぶん180%程度には至っているのだろうと推測する。後日詳細まで計れる測定器で測ってみたいと思うが、これは私たちが以前に行なった実証実験と同じ結果だ。

通常寒伐葉枯らし(6ヶ月程)を行なうと、製材直後の含水率は50~60%程度にまで下がっているものなのだが、新月伐採の決まり事「谷側への伐倒」では、水分が抜け切れないらしい。その証拠に、実証実験の結果も今回の新月伐採も同じように葉が青々していた。
要は、原木中に水分が残っているって事だ。

やはり「ここがポイント!」なのか?


ここから先は、また長くなるので次回へ。